*・*・*・*・ 決算公告の重要性 ・*・*・*・*

決算公告とは

決算公告とは法令に基づいて、株式会社の前年度の決算の状況を広く一般に知らしめることをいいます。
決算公告は株式会社の義務であり、これを怠ると100万円以下の過料に処せられる可能性もあるのですが、
実際に公告を行っている会社は上場企業を除けばごく少数しかありませんでした。
しかし平成18年の新会社法の施行により決算公告の重要性が高まりつつあります。
新会社法では資本金の規制が撤廃されました。新会社法施行前は株式会社の設立には1000千万円以上
の資本金が必要でした。新会社法施行以後は資本金が1円でも会社を設立することができるようになりました。
これは起業をする人にとっては、事業を始めやすくなるなど、メリットが大きいのですが、投資家や債権者、
取引先などの利害関係者にとっては相手の資本規模が株式会社***という商号からは容易に類推することが
できなくなりました。
そこで決算公告の重要性が大きくなってきたのです。
決算の状況を一般に公開することにより、債権者や取引先は会社の財政状態や資本規模を知り、
投資や取引の判断の材料とすることができるのです。


決算公告の種類

決算公告には官報に掲載、日刊新聞に掲載、WEB上で公開という方法があります。
決算公告の方法は定款に定めなくてはなりません。定款に記載がない場合は官報による公告となります。
それではどの方法がベストなのでしょうか?
官報に掲載する場合、公告は貸借対照表の要旨(要約したかたちの決算書)のみでも可です。
費用は約6万円〜です。
日刊新聞に掲載する場合も貸借対照表の要旨のみの公告で可です。費用は約20万円〜です。
WEB上で公開する場合には要旨のみの公告は不可です。費用は約1万円〜です。
WEB上での掲載は貸借対照表全体の掲載が必要ですが、一番コストがかからず、いつでもどこからでも
見ることが可能です。
債権者だけでなく、顧客にとってもWEB上での公告は検索がしやすく取引先の状況を知るための重要な
情報源となります。今後は中小企業にとって顧客の信用を得るためにもWEB上の決算公告の役割は大きく
なってくると思います。